一話

―神世界(ゴットディエヴェルト)―

「神、ヤハウェ…闇の者どもが、また…」
金色の甲冑に身を包んだ天使が台座の中央に座る神に膝ま付き報告する
「大天使、ミカエルよ…分かっておる…今回も、我々には何も出来んがな…」
「しかし、ヤハウェ…」
ミカエルはヤハウェのつらそうな表情に言葉を詰まらせた
「すまないな…これが我々の掟だ…」
ヤハウェは立ち上がり雲の下を見下ろす
そこには様々な世界の映像が映し出されており
ここから一目見ればすぐに全ての世界を見ることが出来る
「私はこれで…」
ミカエルは立ち上がり踵を返すと階段をゆっくりと下りた
「…済まぬな…人間達よ…」
ヤハウェはそう呟くとまた、椅子に座った


―騎士世界(リッターディエヴェルト)―

「ここは…」
直哉はベットで起き上がると辺りを見回した
豪華な装飾や絵が飾られ、棚や机には本がびっしりと並びそれ以上に人形が飾られている
しかし、その中でも一番目立つのが大きなタンス、かなり広いであろう部屋の大半を占め、その中には煌びやかなドレスや靴が綺麗に並べられていた
「目ざめたか…少年?」
声をかけられてハッと声の主のほうを見るととてもこの部屋とは不似合いなタキシードに黒いシルクハットをかぶった男性が本を読みながら座っていた
「どうした、少年?」
「いやぁ……随分と変わった趣味をお持ちだなーと…」
男性は一瞬強張った顔をしたが軽く咳払いをすると
「勘違いするな…これは主の部屋だ…それよりもお前は何者だ?」
「…ぼ、僕は、東城直哉、霞谷高校2年生です」
「…と、とうじょう?変わった名だな…」
「そ、そうですか?」
直哉は不思議に思いながら、和希がいないことに気付く
「す、すいませんが、僕のほかにもう1人いませんでしたか…眼鏡をかけた…」
男性は、少し考え込むように唸っていたが立ち上がり「ついて来い」とジェスチャーをすると部屋を出て行った
直哉もあわててベッドから飛び出し、後を追った

直哉は歩きながら廊下を食い入るように見ていた
部屋の大きさや置いてあるものから見て金持ちか何かの家だと思っていたがこの廊下を見て改めて感心した
「ここだ…」
男性は扉の取っ手にいやいやながら手をかけ、ノブをひねろうとした時に…
「うぅるさぁーい!」
「し、しかし、お嬢様…」
「あたしのを切る前にあんたのを切ってあげましょうか?」
「そ、それは…しかし、旦那様が…」
「こればっかりは、お父様の言うことでも聞けません!絶対に!」
とキーキーと言い争い…というより一方的に叫んでいる声が聞こえた
「…頭痛いわ…」と男性は呟き、扉を勢いよく開けた
バコーンと大きな音を立てて扉が開き、中にいた2人はいったん動きを止めてこちらを見る
「ちぃーす…主…」
「何しにきたの、クラウド?」
メイド服を着た女性の上に乗っていた少女は不機嫌そうな声で言う
その手にははさみとくしが握られている
「いや、何って…起きたら知らせに来いって…」
「つれて来いって言った覚えはないけど?」
男性はめんどくさそうに頭を掻くと「すみませんでした、主」と明後日の方を向きながら言う
するとカチーンと言う音が聞こえたような気がして
「焼き払え!ヘル・フリード!」
少女が手をこちらに突き出しそう叫ぶと黒板に書いてあったような物が現れて火の玉が飛び出す
「うわぁ!」
直哉は驚きしゃがみこむ、しかし男性は「やれやれ…」と呟き
「我を守れ、ディース・クラウド!」と叫ぶと男性の前に先ほどと同じ陣が現れ分厚い鉄のカベが現れる
そして、カベに火の玉が当たると簡単にボォとカベが消え去る
「いやな、炎だ…」と呟くと男性は火の玉に焼かれて、倒れた

「本気でやりなさいよ、クラウド!」
少女は倒れた男性の前に来ると両手を前に突き出し
「エプロード・レイジア!」と唱える、すると薄い緑色の光を帯びた陣が現れ、倒れた男性を包み込む
男性は光に包まれると徐々に服や傷が治っていき、しばらくすると元通りになった
「はぁー…いくら、あんたが死ななくてもこっちは相当の魔力を使うんだからね…」
とあきれた様子でいい、男性も帽子を治しながら立ち上がり
「真面目にやってるよ、こっちは…」と言いつつ、まだ残っているススを払う
「あの…」
いい加減訳の分からなくなってきた直哉が質問をしようと口を開くが
「何?」と少女に鋭く言われ、言葉を失った
「何!とっとと話して!」
「い、いやぁ…別に…」
「おいおい、そんな、強く言ったら少年が話したくても…」と男性がフォローに回るが
「気分悪い!部屋に帰る」とまったく聞くきなしで部屋を後にした

「やれやれ…少年随分と不思議な顔をしているな」
「えぇまぁ…」
「とりあえず、部屋いくか?」
男性は少女を指差し聞くが直哉は
「と、とりあえず…」といって直哉はついていった

  • 最終更新:2009-11-15 17:47:27

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード