九番目

「いいんですか、ももか先輩1人で……」
「ああ、あの人の周りはガードマンばかり見たいなものだからな」
僕は多分今一番不思議な顔をしているだろう
「が、ガードマンですか……」
「そうだ、あいつのファンクラブの連中が……交代で見張りを…って、鍵閉まってるぞここ…」
「じゃあ、僕取りに行ってきますよ」
「いや俺も行く、どうせ1人でいてもやる事ないしな」
「分かりました」
2人は鍵を取りに宿直の先生の部屋へ向かった

~自治会室~

「あれ……」
「どうしたのじゃ、娘さんよ」
「勇次は……」
「ああ、あいつなら三浦と材料取りに言ったぞ」
池澤は怪しく眼鏡を光らせながら言う
「きもい奴に聞いてないもん」
百合は作業を中断して、自治会室を後にした

「百合ちゃんてそんなにあの吊り眼君いないとダメなの?」
鈴は美野里に釘を打ちながら聞く
「……ダメですね、あの2人は幼馴染で小さい頃からずっと一緒にいるものだから、勇次君はそうでもないけど百合は近くに勇次君が2分以上いないとダメらしいです……落ち着かないって本人が言っていました!」
美野里は元気良く言ったが、やはり空気は重い
「そ、そうなんだ……でもお家に帰ったらどうするの?」
「家が隣同士で2人とも親ほとんどいないんで、いつでも出入り出来るらしいですよ」
「それって……つまり……」
「ああ、それはないらしいです」
「なんだー、詰まんない!」
鈴は子供みたいにだだをこねた



続く

「ところで・・・」
勇次先輩から話しかけてきたのだが…この埃っぽさはなんだ?
「・・・お前さ、どうして突然自治会なんかに?」
勇次は必要な物をまとめると立ち上がる
「いや~・・・たいした理由じゃないんですけど・・・」
言えない!こればかりは・・・と心の中で叫ぶ
「・・・そ、そう言う勇次先輩はどうして自治会に入ってくれたんですか?」
「・・・簡単に言えば人助けと暇つぶし・・・家帰ってもわがまま女と2人でいても面白くないから・・・(本当の理由は言えんが・・・)」
「(ぼ、僕よりましな理由で!)ところでどうして勇次先輩は百合先輩と?」
「・・・・腐れ縁て奴かな・・・・子供の頃、家の近くには同年代の子供があいつしかいなくて…それでお互い共働きで親いないから、よく一緒に遊んだり、悪ふざけとかやったりして…それで、自然と一緒にいるのが当たり前になっちまって・・・今に至るわけだ・・・」
「へぇー」
神は関心して何度もうなずいた・・・別にないように関心したわけではないが・・・何か関心した・・・
「・・・材料持ったら行くぞ」
「はい・・・」
2人が部屋を出ると扉の前に百合がいた
「・・・な、何してんだお前・・・」
「い、いや・・・べ、別に・・・たまたま通りかかっただけよ!・・・ほら・・・」
百合は手を差し出して
「少しぐらいなら・・・なんか持って上げるわよ!」
「そうか・・・ありがとうな・・・」
百合は顔を真っ赤に紅潮させ顔を背けると
「べ、別に…は、速く終わらせたいだけよ!・・・行くわよ!」
百合は足早と歩き出し勇次と神もそれについて行った

  • 最終更新:2009-10-19 04:34:39

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