二話

先ほどの部屋に着くと少女は偉そうにソファに座っていた
「遅いじゃない、クラウド」
変わらず上から目線の物言いで少女は指を2本前に出した
「何度も言うが、僕は主の執事では…」
男性は少し、冷や汗をかきながら遠慮げにいう
「文句あるの?」
「い、いいえ…」
男性は大きく溜め息を付くと部屋からで行った
そして直哉はなにを聞かれるかと、構えていた
「あんた、名前は?」
「と、東城直哉です」
「ふ~ん、変な名前…格好も変だけど…どこに住んでるの?」
「えーと…東京都霞谷市…」
直哉がいうとすぐに少女は眉間にしわを寄せて
「馬鹿にしているの!?そんな所あるわけないでしょ!ちゃんと言いなさいよ!」
「い、いや本当なんだよ」
直哉も負けじと声を出すが少女の甲高い声には敵わない
「うそなんでしょ!いい加減にしないとぉ!」
少女は先ほどと同じように手を前に出す、するとまた陣が現れる
「まっまって!それは危険すぎる!」
「うるさぁーい!あんたも、一様魔道士でしょ、これぐらい防いで見せなさいよ!」
「い、いや、僕そんなものじゃ…」
すると少女は少し驚いた様子で、術を出すのを止めた
「…あんた、馬鹿?…まさか、生まれてから一度も魔力を使った事ないの?こんなに波動を感じるのにぃ!?」
「ええ、まぁ…」
少女はまだなにか言いたそうだったがあきれたように溜め息をつく
すると、ちょうどそこへ男性が戻ってきた
「お待たせ、主」
「…ねぇ、クラウドもなんか言ってやってよ…この馬鹿犬君は今まで一度も魔力を使った事ないんだって」
「ふーんそいつは驚いたな…少年、手のひらを前に出して見てくれないか?」
男性は自分の手のひらを前に出し、直哉も同じように手のひらを前に出す
「そうしたら、手のひらに神経を集中させて『アトリビューテ』といって見ろ」
直哉はうなずくと言われたとおりに集中させ
「アトリビューテ!」と叫ぶすると白い陣が手の平の上に現れ、その中心に透明な水晶のようなものが現れる


「えぇ!?」
少女は驚いたように直哉の水晶を観察する
「こいつは驚いた…まさか伝説の白水晶を持つものがいるとは…」
直哉は訳の分からぬまま、2人の顔を交互に見る
2人は影でこそこそ話すと笑顔で戻ってきて
「あんた、色々変だけど、いいわ少しの間だけ面倒見てあげる、どうせ行くとこないんでしょ?」
「ええ、まぁ…」
「よし!決まり!」
直哉はなにがなんだか分からずただ「よろしくお願いします」とだけ言った


「私は、フランソワーズ・セリーヌ・ランチェリス長いのは嫌いだからフランソワでいいわ」
「僕は、ビルクラウド・ハラウン、クラウドでいい」
「は…よろしくおねがいします…」
「クラウドは私の使い魔で…あ、使い魔って分かる?」
「い、いえ」
「使い魔って言うのは様々な作業の手伝いをしたりする…まぁ、平たく言えば助手みたいなものね」
フランソワが得意げに話すとクラウドは小さくなにか呟いていたがそんな事もお構いなく
「クラウドは、助手って言うより執事みたいな者だけどね」
カチーンと聞こえたような気がして、クラウドが軽く咳払いをする
「冗談だってばクラウド……それで、あなたこの世界の人間じゃないわよね?」
「……」
直哉は率直に聞かれた質問に言葉を詰まらせた、いまだにこの状況が把握できず、ここが地球なのかも分からない状況でその質問は答えにくかった
「…クラウド、やっぱり本で読んだことって本当だったんだ」
「まぁ、僕も信じてはいなかったけどね」
「分かんないならいいわ、それよりも私はお父様にこのことを伝えてくるからクラウド、後はよろしく」
「はいはい…」
「じゃぁねー」
フランソワは長いドレスを振りまき鼻歌を歌いながら部屋を出て行った
「機嫌よくなったみたいですね…」
「まぁ、分からない事でもないがな…あそこまで明るさま過ぎると…我が主ながら…」
なんかいこの人は溜め息をついたのだろうと思った矢先、窓の外で爆音が響いた
「な、なんですか?」
「いや、わからん…不味い気がする…」
クラウドは部屋を飛び出し、直哉も後に続く

2人が中庭に到着すると、地面はえぐれそこ等じゅうから煙が上がっていた
「またかぁー?」
クラウドは煙の置くに誰かいるように叫ぶ、すると…
「あ、危ないじゃない!」とフランソワの声
「やかましい!今日こそ、お前はここで!…ウオォォォォォ!!!」と高い声
「何なんですか?」
直哉はクラウドに問うがクラウドはあわてた様子もなく「いつもの事だ」と言った
また煙の中から「轟け雷鳴、砕け落雷!……スパイラァールゥー!サンダァァァァーーー!!!!」と聞こえたかと思うと
黄色い光が煙の中に見え、すぐに『ドーン!』と言う音が響く
「かわしたか?」と高い声
「甘い!我ここに求める業火の火…我ここに求める炎獄の火…フレイム・ヘル・クロムゾン!」
「ば、馬鹿野郎ぉー!!…ウワァァァァァァァ!!!!!!!!!!」の叫び声と同時に勢いよく燃える炎の音が響く


「はぁーまったく…」
フランソワは首を回したり腕をまわしたりと馴らしている
「こんな、術でやられるようじゃ指折り騎士が聞いてあきれるわ」
煙が晴れた中にはまったくノーダメージのフランソワと金色の甲冑に身を包み焼け焦げた姿で倒れている青年がいた
青年は「む、無念…」といって力尽きたように見えた
「クラウド、後始末お願い」
「はいはい…」
「お、おれは!…ま、まだ…」
こんな人たちばかりの世界なんかやだと思ったと同時に直哉は夢なら全力で覚めてほしいと思っていた

  • 最終更新:2009-11-17 03:06:47

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