五番目

「あのぉさぁ!私までなんで付き合うの?」
「いいじゃんかYO!ってか正直暇なのゆりっちだけなんだけどね」
「えぇー!……まぁー他でもないみのりんの頼みだからいいけどさ……その代り、ぜっっったいチョコマフィンおごってよね!」
「OK,OK!オフコース!」
2人の可憐な美少女は物陰から1人の青年を追っていた
1人は凶暴性に優れた野獣『海虎百合(かいこゆり)』と短い肩揃い赤い髪の『果樹山美野里(かじゅやまみのり)』
そして2人が追っているのが食品衛生科所属の5年『黒田リク』……誰もが知っている自治会長の番犬である
なぜこんな事になっているか……それは他でもない自治会長ことみんなの兄貴『水街しずな』の頼みごとから始まった……


時をさかのぼる事、一ヶ月まえのある日、自治会の仕事に慣れ始めてきた三浦神(庶務)は副会長の『春日部鈴』のとんでもない頼みごとから始まった

「ねぇ、みう君?きみさぁ、頼みごと……されてくれない?」
「へっ……?」
「だから、頼みごとを引き受けてくれない?ってきいてるの」
副会長はそのピンクのロンゲを揺らしながら神にビシッと指を刺す
「え、えぇ…いいですけど…」
「じゃあさ、なるべく目立たないようにさ、りっ君の尾行を2日間ぐらいしてほしいんだけど……」
「りっ君って誰ですか?」
「そうかぁ……知らなかったけ…りっ君は兄貴のボディガード見たいな人でいつも兄貴を見張ってなきゃいけないんだけど、当の兄貴が最強だから、今は暇して登校して無いんだけど、一ヶ月ぐらいすると単位取りに出てくるのそこを2日ぐらい尾行してほしいの……もちろん友達に頼んでもいいよ」
なんか色々詰め込み短縮された会話に?を覚えながら神は親友と言うか悪友の則人に頼んで見たものの……
「わりぃな、俺馬鹿だからなかなかはかどらなくて……」
と言いながら手に持った粘土細工を指差す
『坂井則人』神の最悪の悪友であり現在美術科所属の1年
「なんなら、先輩に頼んでみようか?そう言うのに乗りそうな先輩知ってるからさ」
「そうか、それじゃ頼んだ!」
そう言われ頼まれたのが美野里であり、それにつき合わされたのが百合である


「あっ動き出したいくよ!」
サッと飛び出しすぐにリクが確認できる位置に移動する美野里
「よーし!」
勢いよく飛び出した百合は自分の髪の毛を踏んづけて
ズコーン!
思いっきり転ぶ、透き通るような白い肌の太ももが廊下で露になる
「クッ!クッ!クッ!……あもぉーう!」
百合はあわてて起き上がると周りに居た男子どもをに睨みつける
「ひぃ!」
睨まれたものたちはその場からそそくさと立ち去る
百合は不機嫌そうに自分の髪を撫でると簡単にゴムで止めようとするが
しかし、多い髪の毛は座ったせいでさらに止めにくくなる……
「あぁーもう!」と言いながら立ち上がろうとするがまたもズッコケル
百合は大きな瞳に涙を溜めて「勇次!」と叫ぶ、小さな体から発せられる声は廊下を響く
途端に、百合の後ろにあった扉から勇次こと『大竜勇次』が姿を現す……
「こんなこったろうと思った……はぁー、ドジも大概にしろよ……」
と言いながらやくざみたいな吊り上った切れ目の眉をひそめなれた手つきで髪の毛を結ぶ
「おらよ、最初から言えばいいのによ」
と言いながら百合を立たせる
百合は小さく「ありがとう」と言うと美野里の近くまで走っていった
「ころぶなよ!」と勇次が言うが百合はいつもながら聞いていない


「なんだYO、今日もいつもどおりじゃねかYO!なあYOU?」
「う、うん……」
百合は勇次にやってもらった結んだ髪をいじりながら返事をするその顔は万遍の笑み
「好きならこくっちゃえよ!」
美野里はふざけ半分で百合をどつくが百合は慌てふためく様子で
「ばっ、ばっかじゃないの!…私があんな変態犬に好意を抱くと思ってんの!みのりん!」
と真っ赤な顔で全力否定、美野里は「やれやれ……こまったさんじゃのぉ」と言いながら尾行を再開する


しばらくするとリクの携帯が鳴り、電話に出た途端その場から走り去った
「逃がすか!」と同じく走り出す美野里、少し送れて百合が走り出す
リクは廊下を出ると校舎の裏に入り込んだ、美野里たちもばれない様に後をつける
さらに進み農業科の寮の裏に隠れた、その姿を確認すると「こちら、シャア!目標を補足これより偵察に移行する」と持っていた携帯で打ち鈴先輩に送るとすぐに返信が帰ってきて
「了解した!シャア健闘を祈る」と書いてきた
「よし、いっちゃうZE!」
2人は物陰からリクのとんでもない秘密を目撃してしまう

おまけ
神「主人公出番なっ!」
美野里「今回はおいちゃんが主役だZE!」
百合「もう付き合いきれない…はぁ…」
神「さぁーリク先輩のどんな秘密が目撃できるのか!」
美野里「次も見てくださいYO!」

  • 最終更新:2009-10-15 19:53:06

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